お撮みカメラ日記

カメラと写真のちょっとした記録。

#3 Nikon NIKKOR-H・C 5cm F2

ニコンのオールドレンズが欲しいなと思いつつ、雑誌やネットの記事を見ていた頃。既にL39マウントレンズを使っていたこともあり、ニコンのL39マウントレンズに興味が湧いていました。Fマウントレンズも使ってみたいレンズはまだまだあるが、今はL39に触れていたいと。

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Nikon Z6 + NIKKOR-H・C 5cm F2

出掛けたのは隅田川沿い。ここに来ると絶対に見えるスカイツリーを撮って、散策のスタートです。

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Nikon NIKKOR-H・C 5cm F2

今回撮影で使用したのは『Nikon NIKKOR-H・C 5cm F2』。Sマウントもありますが、冒頭でお話しした通り、私が欲しかったのはL39マウントのレンズ。ドイツのショット社製のレンズが使われたとされる、シリアル番号の「5005伝説」などがある銘レンズ。まあ、私が購入したのは普通の1本ですが(笑)。

NIKKOR-H・C 5cm F2』は3群6枚構成のゾナータイプ。このレンズ構成であることも購入するきっかけとなりました。このレンズを手にするまでに持っていたのはガウスタイプのレンズ。開放絞りの甘い描写が気に入ってるが、もう少しコントラストが欲しかった。そこで、開放絞りからコントラストの高い描写をするゾナータイプのレンズを調べていました。

NIKKOR-H・C 5cm F2』が作られたのは戦後ということもあり、時代背景は非常に興味深いものでした。完璧に理解したかと言われれば、どうでしょう…知識として覚えていることも重要なのかもしれませんが、それよりも実際に触れて使いこなすことの方が大事だと思います。わからなくなったらまた調べればいいのですから。

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Nikon Z6 + NIKKOR-H・C 5cm F2

ということで、ここからは撮影した写真をご覧いただければと思います。

まずは、高架下から見えた線路の写真から。丸みを帯びた文字で上と書かれていたのが可愛らしく感じられます。

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Nikon Z6 + NIKKOR-H・C 5cm F2

透明感のある黄緑色の植物。レンジファインダー機だと、開放絞りでピントを合わせるのは至難の業。私も何度か撮影したことがありますが、被写界深度が狭いのでなかなかに難しいと感じています。そもそも、現代のカメラより見えづらいファインダー。瞬発的な撮影では絞った方が撮影しやすいのは当然。だからなのか、その時代の写真を思い返してみても、背景がボケボケといったものは少ないんじゃないかなと。

開放絞りでガンガン撮影できるのは、『Nikon Z6』の見やすいEVFのおかげでしょう。ボタン1つで拡大してピントを追い込むなど、ボディの技術によって快適にオールドレンズでの撮影が楽しめてしまう。

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Nikon Z6 + NIKKOR-H・C 5cm F2

 

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Nikon Z6 + NIKKOR-H・C 5cm F2

菜の花を見て、おひたしが食べたくなるのはいつ頃からだったのか。あの苦みが美味しいと感じるようになったのは、日本酒のおかげなんだろうなどと考えながら撮影しています。

『Z6』には、『SHOTEN マウントアダプター ライカMレンズ/ニコンZボディ用 ヘリコイド付き LM-NZ M EX』と『RAYQUAL M/L変換リング ライカLレンズ/ライカMボディ用 50/75mm 半欠きタイプ』の2つのマウントアダプターを使用してL39マウントレンズを装着。最短撮影距離をより縮めるためにヘリコイド付きのアダプターを選択しています。『NIKKOR-H・C 5cm F2』の1.5feetまで繰出せるヘリコイドと同時に使うことで更に被写体に接近して撮影することができます。ちなみに、ヘリコイドがないシンプルなアダプターであれば、L39マウントレンズをZマウントボディに直接変換するものも発売されています。

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Nikon Z6 + NIKKOR-H・C 5cm F2

桜はもうお腹いっぱいと感じつつ、撮影をしていると高速道路の標識が目に留まりました。先ほどの菜の花の写真もそうですが、前後ろ共にざわつくようなボケ。被写体との距離感によって変化しますが、この騒がしさのあるボケ味が面白いなと感じます。

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Nikon Z6 + NIKKOR-H・C 5cm F2

 最後はピクチャーコントロールの「カーボン」で撮影した鳩たち。やはり、モノクロの方が味があると感じた1枚でもあります。一言でいえば令和っぽくない。フィルム特有の粒状感はありませんが、被写体を包む雰囲気がどこか落ち着いているように思えます。

今回は、『NIKKOR-H・C 5cm F2』と共に隅田川沿いを散策してみました。オールドレンズに興味を持ち始めてから日は浅いですが、確実にその描写の虜になっているのが自分でもわかります。オールドレンズの持つ味が最大限に引き出された写真を撮れるようになりたいと思うばかりです。その一方で、最新の圧倒的な描写性能を誇るZマウントレンズでもしっかり撮っていきたいと思っています。どちらにしても、私らしい写真が撮れるように色々と勉強していかなければ。

それではまた。