お撮みカメラ日記

カメラと写真のちょっとした記録。

#5 OLYMPUS OM-2

今回は、私が使っているフィルムカメラをご紹介します。これまで紹介してきたのはニコンの機材。今回もニコンかと思いきや、ニコンフィルムカメラは所有していません。最後の国産フィルムカメラとなった『Nikon F6』を買おうかと迷っていた時期もありましたが、Zマウントに移行し始めていたこともあり、結局手を付けず。所有しているフィルムカメラは今回の機材を含め3台もありますし、フィルム代や現像代、買ったところでどれくらい使うのかを考えると、今買うことが現実的ではないと判断しました。しかし、状態の良いフィルムカメラは時が経つに連れ少なくなり、中古の値段が高騰するものもあるので、買える時に買っておいた方がいいということも感じています。

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OLYMPUS OM-2 + OM 135mm F2.8 MC

中古の価格高騰は昨今のオールドレンズやフィルムカメラの人気によるものなんでしょうか。古い機材の描写は、最新の設計や技術では再現できない温かみや味があります。それらの描写を「エモい」という単語で表現するのは非常にもったいないし、薄っぺらい。写真に限らず、芸術鑑賞においては見る側の知識が必要です。私は大学で芸術鑑賞に関して学んでいましたが、鑑賞に必要な知識の勉強は一生することなんだろうと思っています。撮れるようになるためにも、他者の作品鑑賞は欠かせませんし。鑑賞、勉強、撮影のループが永遠と続くのではないでしょうか。

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OLYMPUS OM-2 + OM 50mm F2 MC Macro

だいぶ話が逸れてしまいましたが、私のフィルムカメラはこの『OLYMPUS OM-2』。父が使っていたものを譲り受けて使っています。『OM-2』は1975年に発売されたフィルム一眼レフカメラオリンパスからは『PEN F』というハーフサイズのフィルム一眼レフカメラがありますが、『OM-2』は35mm判。一般的なカメラです。ですが、この『OM-2』、世界初の「TTLダイレクト測光方式」が採用された革新的な1台。「TTLダイレクト測光方式」とは現在の一眼レフ機にも使われている測光方式で、露出の計測をシャッター幕面の光で直接行います。それにより、実絞りで常に新しい光を計測することができました。また、ストロボの明るさを測光し、コントロールできたのでストロボでのオート撮影を可能にしたのです。

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OLYMPUS OM-2 + OM 135mm F2.8 MC

そして、お気に入りのフィルムは、『Kodak ULTRAMAX 400』。フィルムカメラでは好きにフィルムを選ぶことができ、一般的なデジタルカメラのようにボディのセンサーが固定されているということはありません。レンズとボディとフィルムという組み合わせでより自分の好みを探すことができます。

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OLYMPUS OM-2 + OM 135mm F2.8 MC

Kodak ULTRAMAX 400』の特徴としては、コントラストの高さと鮮やかな色合い、シャープネスといったところでしょうか。また、OMレンズ自体の描写もシャープだと感じています。フィルムの粒状感と解像力のある写りが好みです。

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OLYMPUS OM-2 + OM 50mm F2 MC Macro

 

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OLYMPUS OM-2 + OM 50mm F2 MC Macro

時期が過ぎてしまいましたが、撮影していた時には丁度満開で、撮りごたえがある桜でした。現像には1週間程要しますが、その待つ時間が楽しいのもフィルムの魅力。何本か撮ると何を撮ったのか忘れてしまうこともありますが(笑)。

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OLYMPUS OM-2 + OM 50mm F3.5 MC Macro

フィルムカメラでスナップをするのはデジタルカメラとは違った感覚。シャッターを切るタイミングはよりシビアで、露出やピント、構図などを素早く決めて動かす必要があります。少しでも気を抜くと設定が狂っているなんてこともありました。また、私の使ってる『OM-2』の露出計が正確なのかも怪しいところです。

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OLYMPUS OM-2 + OM 50mm F3.5 MC Macro

 

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OLYMPUS OM-2 + OM 35mm F2 MC

黄昏の浜辺。夕方は特にフィルムカメラを使いたい時間帯です。柔らかい光を撮っている感覚が心地よく、気付けばフィルムが1本終わってしまっています。

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OLYMPUS OM-2 + OM 50mm F3.5 MC Macro

波打ち際をアンダー気味に撮影した1枚。青色の滑らかなグラデーションに引き込まれました。フィルムカメラは背面に液晶モニターのあるカメラと違い、その場で写真を見ての露出の確認ができません。1枚1枚、集中して撮る行為が大事だと使うたびに感じます。

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OLYMPUS OM-2 + OM 50mm F3.5 MC Macro

海岸には色々なものが漂着していますが、ひときわ目立っていたのが夏みかんらしき果物。青い空間にぽつんと存在している様がどこかさみし気に見えました。

カメラを複数台持っていると今日は何を持って行こうかと迷ってしまうこともあります。あれもこれもと持って行くと、中途半端でそこそこの写真しか撮れなかったという経験も少なくありません。ただ、割り切って機材を少なくし、アレを持ってくればよかったということも(笑)。結局、色々な機材で撮影したいのであればその機材の分、撮影に出なければならない訳です。そうすると、なかなか外に出にくい今の世の中が少し窮屈に感じてしまいます。季節の花の撮影をメインにしてる私にとって、開花時期を逃せばまた1年待たなければならなくなるのは正直辛い。しかし、他人に迷惑をかけないように上手く立ち回ることが暫くは必要なんでしょう(撮影地のルールを守るのは当たり前として)。再び自由に撮影が楽しめる世の中に戻るのを心待ちにして。

それまではまた。